経営者向け
2023/12/15 (金)
小濱亮介

新規事業への賢明なる挑戦 ~経営者が直面するリアリティとは~

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経営者の皆様におかれましては、
常に市場の波に立ち向かう決意と共に、
事業の持続可能性について考える日々が続いていると思います。

帝国データバンク『全国企業倒産集計2023年度上半期報』によると、
2023年4~9月までの倒産件数は、4年ぶりに4,000件を超え
15年ぶりに全7業種・全9地域で前年同期を上回る結果だったようです。

主因別にみると「販売不振」が3,312件と最も多く、
全体の78.7%を占めました。
そのような状況下でも、新しい事業を模索している会社が多いように思えます。

中には自社の本業とは関係ない新規事業を行ったり、
異分野に進出しようとする会社もあります。

「新しいことに挑戦する」「失敗を恐れない」

こういった考え方は素晴らしいのですが、新規事業が成功する確率は低く、
経営状況の厳しい会社にとっては致命傷にもなりかねません。
中小企業庁『2017年版中小企業白書』によると、
新事業展開を行った会社のうち
「成功している」と回答した企業は約28%でした。

新規事業には魅力がありますが、成功率の実態は冷徹です。
時には本業から目を逸らさせ、
予期せぬリスクへと導く可能性もあります。
そうした中で、新規事業の成功確率を高めるためには
どのような戦略を取れば良いのでしょうか?

まず基本となるのは「既存事業の再評価」です。
新しい挑戦は魅力的ですが、
既存の事業基盤をなおざりにするわけにはいきません。

なにか新しいことを始めようと思ったときには
期待と不安両方あると思いますが、
期待が上回り本業を見失ってしまうことがあります。

新規事業は、既存事業とのシナジーを重視し、
根本的な顧客理解に基づいて検討されるべきです。
ここに成功の鍵があります。
既存の顧客ネットワークを活かすことで、以下のメリットが期待できます。

 ・お客様の満足度を向上させることができる

 ・追加で仕事をいただくことができる

 ・単価を上げることができる

 ・広告宣伝費を抑えることができる

また、よく自分自身に言い聞かせていることではあるのですが
風呂敷を広げるのは簡単ですが、たたむことは大変です。
撤退戦略は新しいビジネスを始める前に定めておくべきでしょう。

それは、成功の見極めだけでなく、情熱の継続にも不可欠です。
不透明な未来に対しては、逆算思考で計画を立て、
リスクを見据えた上で、情熱を持続させる指標を設定することが賢明です。

新たなビジネスは、決して感情に流されることなく、
戦略的に、そして計画的に進める必要があります。
そこには、時に冷静さを欠いてはならない
経営者の決断が求められているのです。

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この記事を書いた人
2010年、新卒でシナジーに入社し、人材サービス事業に従事。2021年に執行役員に就任。 これまでに2,000名以上の転職相談を受けた経験から求職者の視点を取り入れた中小企業の採用戦略を立てることを得意とする。 社内で新規事業の立ち上げを5事業ほど経験し、自身も2019年に社内起業を行い、代表も務めている。 様々な経験から採用戦略、経営戦略、システム構築などのアドバイザーとして活躍しており、10社以上の顧問先持つ。
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