経営者向け
2024/06/14 (金)
小濱亮介

木も森も両方とも見る!

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「木を見て森を見ず」という言葉があります。
これは「目の前のものにだけ集中し、全体を見渡すことを
忘れている状態。その結果、本質的なことを見誤り
良い結果が得られない」という意味ですね。

誰もが知る有名な言葉ですが、実際そうならないように
注意しようと思っていても、現実はなかなか難しく、
後になってから、自分が「木を見て森を見ず」だった
ことに気づきます。

「木を見て森を見ず」は、仕事の場面でもたくさんあります。
特に会社での仕事は内容そのものが複雑で、多くの人が
関わり、これまでの経緯など様々なしがらみもあります。

業務を改善しようと対策してみても、思うような効果が
出なかったり、逆効果になってしまったりということは
決して珍しいことではありません。

ビジネスにおいて大事なことは「木を見て、森も見る」
ということだと私は思います。

これは「システムシンキング」と言われる考え方で、
問題や事柄について考えるとき、「それが周囲と
どう関わっているのか?」「これまでにどんな経緯が
あるか?」など、より大きな視点でシステム全体を
捉えているということです。

システムというのはパソコンで動くシステムではなく、
組織、プロセス、構造、階層といったある目的を持って
集まった集合体を表します。
例えば、日常で使っているコンビニで働く人達や
売られている商品、買う人達は流通という
大きなシステムの中にいます。

私がある仕事で失敗をしたとします。
この原因を分析するために、失敗や私自身にのみ
フォーカスした場合、私が持つ仕事のスキルや、
失敗した仕事の難易度について考えます。

しかし、システムシンキングで考えた場合は、私が
担当している仕事全体の状況や私が属しているチームの
状態、仕事の始まりから終わりまでの手順など、
より広い視野で全体をとらえ、その中で原因となるものを
分析し、最も効果的な対処法を考えることができます。

仮に、私が仕事を失敗した原因が、別の仕事が
急に忙しくなり、そちらに気を取られてしまったせいで、
仕事への注意が散漫になってしまったためだとします。
この場合、いくら私のスキルや経験、仕事の難易度を
突き詰めても、この原因には辿り着けません。
なので原因がわからなければまた同じ失敗を
繰り返してしまうかもしれません。

システムシンキングのやり方を4つの
アプローチで紹介します。

①関連する事実を集める
「氷山の一角」という言葉がある通り、見えている事実は
全体のごく一部の可能性があるということです。
事実ベースでそこに関わる情報を集める必要があります。

②これまでを振返る
なにか問題が起きた際、その時点だけを考えるのではなく、
これまでどうだったかを振返ります。
以前に同じようなことがなかったのか。聞いてみると
前から時々あったということはよくあります。

③問題が発生するまでのメカニズムを捉える
①、②を踏まえて、整理していき、なぜその現象が
起きたのかのメカニズムを考えます。
人の問題なのか。コト(ルールや管理)の問題なのか。
そういった整理をすることで見えてきます。

④考え方を明らかにする
最後に、そこに関係する人たちの考え方も
重要視します。なぜならその人の考え方や価値観に
よって、ものごとの良し悪しを判断する基準や
優先順位が大きく異なるからです。
しっかりと共通認識を持ち、同じ目線で
できるよう働きかけが必要です。

なにか問題が起きたときは今の現象を見て
対策などを取りがちですが、木も森も見て、
部分最適と全体最適の両方を見て
判断していかなければなりません。

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この記事を書いた人
2010年、新卒でシナジーに入社し、人材サービス事業に従事。2021年に執行役員に就任。 これまでに2,000名以上の転職相談を受けた経験から求職者の視点を取り入れた中小企業の採用戦略を立てることを得意とする。 社内で新規事業の立ち上げを5事業ほど経験し、自身も2019年に社内起業を行い、代表も務めている。 様々な経験から採用戦略、経営戦略、システム構築などのアドバイザーとして活躍しており、10社以上の顧問先持つ。
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