Googleの行動規範には
「Don’t be evil」
※邪悪になるな
というものがあります。
ユーザーに最良の製品や
サービスを届けるとともに
社員としてよい行いをせよ
というメッセージ。
この「Don’t be evil」
というスローガンについて
Google程の企業がこの
メッセージを発信していることを
心強くも思っていましたし
正直、懐疑的でもありました。
安倍首相も好きなことで有名な
ホワイトハウスの覇権を争う
世界が絶賛するネットドラマ
ハウス・オブ・カード
野望の階段 でも
検索エンジンを運営する
企業のCEOが大統領のために
情報を解析したり提供したり
改ざんしたりするシーンがあります。
世論に対して圧倒的に
影響力がある程の企業
Googleが
臨時的、一次的にでも
自分たちに有利な世論誘導は
可能でしょうし
むしろされていても
不思議ではない。
ずっとそう思いつつも
この「Don’t be evil」
というスローガンが
世界の健全さを担う
大切なものだと感じていました。
この春、社員の間で回覧された
スンダー・ピチャイCEOに
書簡が届けられました。
「グーグルは戦争ビジネスにかかわるべきではない」
「この計画はグーグルのブランドや採用競争力に対し
取り返しが付かないほどのダメージを与える」
「われわれの技術の道徳的な責任を第三者に委ねてはならない」
Googleのクラウド部門が
昨年9月に米国防総省と結んだ
軍事用無人飛行機向けの
AI開発契約
通称「プロジェクト・メイブン」
に対する反対運動。
米メディアによれば
4000人を超える社員が
この書簡に署名したほか
一部社員が辞職する事態に
発展しました。
プロジェクト・メイブンは
ドローンで撮影した低解像度の
映像における物体認識に
AIを活用するというもの。
Googleは今年3月に
説明したのは
これは国防総省との
試験プロジェクトであり物体認識を補助する
オープンソースの機械学習API
を提供している。技術は非攻撃的な使用に限られている
このように説明したものの
「Don’t be evil」
これがアイデンティティーと
なっている多くの社員は
プロジェクトへの参加自体を
問題視したわけです。
それをうけて6月7日
Googleのクラウド部門を率いる
ダイアン・グリーン氏は
国防総省との契約を打ち切るよう
Googleに求める声が相次いだ。
われわれはメイブンのプロジェクトに
関する契約更新はしない
と述べ
2019年で契約を終了することを
明らかにしました。
一次的な経営者の方針や方向性が
ブレたとしても、
社風や文化がどれを押し止める。
何が「evil」であるか
定めるのが難しいという問題は
ありますが
文化が会社の方向性に
強く影響するというのは
あるべきことです。
「Don’t be evil」
解釈は難しいですが
これほどまでに
人に浸透する思いを
しっかりと明文化するのは
とても大切です。
社員を自発的に動かす文化を
しっかりと醸成する。
明文化する。
浸透させる。
その価値は計り知れない。
10年後振り返ったとき
この出来事は
Googleにとっても
転換期だったと言われるような
出来事なのではないかと
思っています。
─── ぐっとくる会社を、もっと。 ───
株式会社シナジー
〜2017ホワイト企業アワード受賞〜
〜注目の西日本ベンチャー100に選出〜
~日経Associe 特集人気注目の企業71に選出~
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