大変ありがたいことに、広島労働局と広島県が主催する若者採用と定着をテーマとした
セミナーに講師としてお招きいただきました。
運良く労働局のホームページに厚生労働省のロゴマークと一緒に自分の顔写真を掲載いただいたので、
せっかくなので今後実績として使わせていただこうと思っています。本当、ありがたいです。
さて、担当が職業安定部の方ということもあり、ハローワーク採用を推奨するシナジーとしては、
とても相性が良いというか、とても親和性の高いセミナー内容となりました。
終始「ハローワークを活用しましょう」という職業安定部の回し者感があふれる講演でしたが、
終了後は想像以上に質問をたくさんいただいてそれだけ皆様の関心が高いテーマだったのだとあらためて実感しています。
私が提唱している採用の切り口や手順は、過去様々なセミナーでお伝えしてきているので、聞かれた方も多いと思います。
そのため、今回ご紹介するのは、《社員のマネジメントについて》にさせてもらいます。
これについては、モチベーションサイクル理論を提唱している、
フレデリック・ハーズバーグ氏のデータに基づいてお話ししました。
この理論は、
近年モチベーションをいかに管理するかという理論が進化しているなかの土台となる理論です。
この理論の特性としては、「満足要因」と「衛生要因」という2種類あるというもの。
衛生要因というのは、それがないと不満が高まるが、
それらがいくらたくさんあったとしても満足や納得にはつながらない要素です。
たとえば、給与が高い、残業が少ない、休日が多い、会社のネームバリューがある、快適なオフィスなどです。
いずれも仕事の中身とは関係ありません。
一方満足要因は、達成する、承認される、責任を持つなど、
仕事それ自体がもたらすやる気の要素です。
これが満たされると仕事が楽しくなり、さらにやる気が出てくるというものです。
ここに上げた満足要因というのは、
それぞれが単体で存在しているわけではなく、密接に関連しています。
ですから、
それをつなげて上手くサイクルにしていけば、内発的動機を高め続けられる、ということです。
それは、構造的には以下のようにとても簡単なことです。
①ちょうどよいレベルの機会を与える
↓
②その機会に対して、上手く乗り越えていけるよう支援する
↓
③成功したら正当に評価する。その評価を周囲で共有し、承認する
↓
④周囲の承認と同時に、昇給や昇進など会社として報酬を与える
↓
⑤1つの困難を乗り越えたら、その成長に見合う程度の難易度の機会を再度与える
モチベーションのサイクルは、シンプルにいえば、これだけなのです。
平たく言えば「機会 → 支援 → 評価 → 承認 → 報酬」のサイクル。
そうすれば、社員はいつも真剣に仕事に向き合い、努力や工夫の対価として、周囲からの評価や自信の成長を手に入れることが
できます。それらの集積が、会社の業績にもつながっていくでしょう。
そうお伝えすると簡単なようですが、現実のマネジメントはまったくこの通りにはいきません。
なぜかというと、結局の所は、機会の与え方が難しいのです。
エドウィンロックという研究者が、
《人はどのような目標を与えたときに、最大の成果を出すのか》という研究を行いました。
結果、一つの答えが導き出されましたが。それは「できるかできないか、ギリギリの線」で目標を提示したときでした。
つまり、易しすぎても、難しすぎてもダメ。
そして私自身がよく社内で言っているのが「逃げ場をなくす」ということ。
兼務で業務に取り組んだり、曖昧な目標設定は格好の逃げ場となりますので、
なくすことが大切です。
そして、追加してお伝えしたのが、あまりに当たり前のことで見落とされがちですが、
部下に適切な機会を与えるためにいちばん大切なことは、部下一人ひとりをよく見るということです。
人によって「できるかできないかギリギリの線」や「逃げ場」は大きく違います。
年齢や部署が一緒でも、「ギリギリの線」は千差万別。
ここを一緒くたに共通の目標を設定してしまってはいけません。
部下の成長と成果につながるような適切な機会を与えるためには、一人ひとりの能力、性格を見極めなくてはなりません。
そのためには査定前とか、目標設定時期だけ話をするのでは情報が不足してしまいます。
部下を連続的にずっと見続けていくこと。これが上司として非常に大きな役割となるわけです。
あたりまえのような話ですが、悩むのであれば、何をするにしても、ここをやりきってから。
まずは「機会 → 支援 → 評価 → 承認 → 報酬」のサイクルをみなさんもぜひ振り返ってみてください。
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