経営学の大家、ピーター・ドラッカー氏は、
次のような言葉を残しています。
「マーケティングの基本は
こちらが何を望むかではない。
相手が何を望むか、相手にとっての価値は何か、
目標は何か、成果は何かである。」
顧客が「誰なのか」によって、
「響く商品の特徴」も、「刺さる言葉」も、
「重視するポイント」も変わります。
逆を言えば、
「自分たちの顧客」が誰なのかを明確にできれば、
効果的かつ一貫性のある戦略が
立てやすくなるということ。
それでは、顧客はどのように
設計すれば良いのでしょうか?
そこには「3つのポイント」があります。
【1】顧客の「絵」を描く
「この商品のターゲットは誰ですか?」と聞いたときに
よくある答えが「30代の男性」というようなもの。
このように「年代」+「性別」でターゲットを
考える方が多いのですが、
実は、それだけでは不十分なのです。
同じ「30代の男性」でも、
「務めている会社」
「着ているスーツ」「シャツの色」
「時計」「読んでいる雑誌」「靴」などなど、
全く違う特徴を持っています。
そして、このような「外見の違い」は、
「行動の違い」を表します。
白シャツに揃いのスーツ、黒い靴の男性と、
色シャツにセパレートのスーツ、茶色の靴の男性では、
遊びに行く場所が全く違うでしょう。
ただ、これを「言葉」で考えていくのは
なかなか難しい作業です。
そこでオススメなのが
「絵を描く」こと。
上手い下手は別として、
絵として描くことで、
先ほどのような「特徴」を
考えざるを得なくなります。
描くときのコツは
「できるだけ細部まで描き込む」こと。
シワの一本まで考えられるのが理想です。
何枚か描いていくと、
おぼろげだった顧客のイメージが
具体化してきます。
その顧客に対して、
◯ 彼はどんな雰囲気を好み、
◯ 普段どこに居て、
◯ どんなコダワリを持っているのか
考えていくのです。
【2】顧客の「つぶやき」を口にする
「お客さんがディズニーランドに行く理由は?」
と聞くと、高い確率で返ってくる答えが、
「非日常的な世界を味わいたいから」というもの。
でも、実際にお客さんが
ディズニーランドに行くときは、
「非日常」なんて言葉は使いません。
「子供がどうしても行きたいっていうから…」
「ミッキーに会いたい!」
「高校生活の最後の思い出を作りたい!」
といった言葉を使っているはず。
提供側が「顧客目線」に立てない要因のひとつに
「話す“言葉”が違う」
というものがあります。
「提供側の言葉」で話していては、
「顧客側の目線」に立つことはできないのです。
そこでオススメなのが、
【1】で描いた「絵」に「場面」を書き足して、
「喋らせてみる」こと。
人物が、実際に動く場面を想像することで、
顧客の「自然な言葉」が捉えやすくなります。
【3】その顧客は、本当に居るか?
「絵」を描き、「つぶやき」を口にしてみた。
ここで、注意しなければいけないのが、
「そんな人が本当に居るか?」ということ。
理想の顧客を設計する際は、
意識していないと、
「提供側の願望」でしかない
「実在しない顧客」を描いてしまいがちです。
そんな事態を防ぐためにオススメなのが
第三者にこんな質問をしてみること。
「友達に、こんな人(描いた顧客のこと)って居る?」
第三者の数人にこの質問をして、
知り合いの姿が思い浮かばなければ、
その顧客は存在しない可能性が高いです。
もしくは、存在したとしても、
少数派ということになります。
全く同じものでも
「誰に届けるか」によって、
「感じ方」が大きく変わってしまいます。
「誰に届けるか」は、商品の設計から、
集客、キャッチコピー、営業など、
広い範囲に影響を及ぼすもの。
今回ご紹介した3ステップで顧客を明確化して、
顧客にあった戦略を考えてみてください!
弊社で毎月開催している
社長の学校「プレジデントアカデミー」の
今月5月のテーマは「商品力」です。
商品・サービスを開発したり、
パワーアップさせるための29のヒントを紹介します。
少しでも気になった方は
こちらのページを御覧ください。
経営や採用のお役立ち情報をお届けします。
シナジーメルマガ『ぐっとレター』に登録