経営の中でとても難しいテーマである、組織文化の変革。
変わりたくないのが人間です。
組織文化の変革とは行動変容だと言えます。
総論賛成、各論反対。
日頃から会社の不満を言いながらも、
いざ自分のこととなると面倒な話だということになります。
自らの意思で変わるものだけが生き残ります。
単体ならばそれでも良いですが、
組織の場合、変わろうとしないものに
変わってもらわないと共倒れになります。
変わってもらうためのきっかけは、
危機感の共有です。
しかし、危機をただ伝えるだけでは
組織全体の行動変容は簡単に起きません。
人には想像力の違いがあり、
事象一つからそれを自分ごとへと想像し、
危険視出来る人から、
自分の身に降りかかるまでは他人事で、
事態を楽観視する人まで多様だと思います。
星野リゾートの星野代表が、社員に倒産確率を発表しているのも
組織変革のための行動だと言えると思います。
ちなみに5月の倒産確率は38.5%だったようです。
確かに、「このままでは会社がだめになる」と言われても
会社に行けばいつも通り職場があり、
給料は振り込まれ、いつも通り同僚がいて・・・と、
日常が変わらなければ切実感はありません。
したがって、時には人為的な施策が
必要になることもあります。
自分の身にも危機が迫るような強烈な人事施策や、
その組織の象徴的な存在、例えば工場の
閉鎖や縮小売却等といったところ。
ただし、それはきっかけに過ぎません。
そこから変革に導くためには
少なくとも6つポイントがあると思っています。
①魅力的な未来図の提示共有
危機感だけでなく、行動変容したくなる
強い動機付けが必要です。
受益者にとってメリットを感じられるものを
より具体的に示すと良いです。
②危機感が強いうちに一気に進めること。
喉元過ぎれば熱さ忘れるのが人間です。
長引くほど、今の状態自体が日常となり
変革慣れもします。
その結果「そこまでしなくても・・・」などと言われかねません。
波風立てることを嫌いな人が多い日本で、
時間ばかりかかって何も変わらない変革が
散見されるのはこの特性かと思います。
③変革リーダの覚悟
さまざまな抵抗が予想されるので、
そこにいかに毅然と向き合うか。
ぶれない信念に徹する。
リーダーの本気の迫力が必要です。
④変革リーダーへの信頼
リーダーは言行一致でなければいけません。
自ら範を示すことですね。
そして現場に耳を傾けなければなりません。
彼らの目の前にある障害を理解して
一緒に乗り越える人だと認識してもらって、
信頼が厚くなります。
⑤現場の参画
自分たちも一緒になって関わったからこそ、
行動変容へのコミットメントが高まります。
⑥小さくても良いので早く何らかの実績を出す。
変えるメリットの体感が変える動機を高めていきます。
JAL(日本航空)の事業再生の本質は
組織文化の変革だったと思います。
稲盛和夫氏の手腕はまさに、
この6つのポイントを押さえた行動です。
コロナ禍において様々な自社の経営について
考えるきっかけになり、あとは行動するだけです。
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