今回は最近話題の「パーパス経営」についてお話します。
パーパスとは英語で「Purpose」と書き、「目的、存在意義」という意味です。
経営の観点から見ると会社が存在する理由や目的を示したものになります。
このパーパスは、社員の定着や採用という観点でも非常に重要です。
大学生の多くは就職活動のとき、福利厚生や働きやすさ(残業など)を見て、
会社や仕事を選択するというデータがあります。
そして働きながら「何のために働いているのか」を考え始めるのです。
その結果、
「自分たちの仕事が社会で何の役に立っているのか、わからない」
「今の仕事に働きがいを感じない」
という理由で退職する人が一定数でてきます。
一方、第二新卒ではワークライフバランスではなく、
社会に対する会社の役割や何のためにその会社が存在しているのか
ということを考えて企業選びをする人が多くいます。
パーパスというと、ただのキレイゴトのように感じる人もいて
「そんなことよりももっと大事なことを」と言う経営者もいます。
しかし、そのキレイゴトを今の事業や仕事とどう紐づけて
表すことができるのかは、とても重要です。
社員が「誰の役に立ってるのか」「何のために事業をしているのか」という
会社が掲げるパーパスに共感したとき、
強い組織となり、周りの方々の困りごとを主体的に解決し、
会社の存在価値が高まっていくのではないでしょうか。
始めから「しょせんキレイゴト」と脳内から弾くのではなく、
そのキレイゴトを事業や実際の仕事と紐付けて
周囲に伝え、追い続ける。
そんな会社が良い会社なのではないでしょうか。
またパーパス経営を行うことで、
社員の定着だけでなくお客様や他の会社からの見られ方も変わってきます。
みなさまが周りを見渡した時に「何を目指しているかわからない」
という会社はありませんか?
特に何かに取り組んでいる姿やSNSで発信された情報を見た時に、
そう感じることがあるはずです。
もちろん関係が浅い会社であれば、特に何も感じないかもしれません。
しかし、取引先や協力会社などある程度知っている間柄であれば、
違和感を覚えたり疑問に思ったりするはずです。
社会の何の役に立っているのか。
自分たちはどこを目指しているのか。
「わざわざ言わなくても活動を見てくれたらわかるよ」と思うかもしれません。
長年連れ添った夫婦でも言葉にしないと伝わらないことがあるのですから、
部下や社外の人であれば尚更です。
人はわからないことには触れないようにする生き物です。
ちゃんとパーパス(存在意義、存在価値)を明確にし、
発信し続けて初めてそれが伝わるのです。
一つ注意していただきたいのは、パーパスを掲げただけでは意味がないということです。
その掲げたことを軸に経営活動をしなければ、本末転倒です。
むしろなにも掲げないほうが良いこともあります。
ただし、健全で周りから必要とされる会社は
自分たちが掲げたものを実現させようと頑張っており、
そんな会社を人は応援したくなります。
自分たちが掲げたパーパスに覚悟を持って向き合い、
経営活動を行っていかなければならないのです。
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