最近「2025年問題」というワードを目にすることが
増えてきたように思います。
この「2025年問題」とは少子高齢化の深刻化に加え、
いわゆる団塊の世代が後期高齢者である75歳以上となり、
日本に超高齢化社会が訪れるタイミングをさしています。
その時には雇用や医療・福祉など
さまざまな分野に影響を及ぼすとされています。
インボイス制度も消費税導入時から
構想されていたことだとは思いますが、
さまざまな問題が取り巻く中
我々は経営を行っていかなければなりません。
その中で社長の高齢化も進行し続けていることもあり
事業承継の側面でも例外ではありません。
実際に2017年12月の時点で、
社長の高齢化や後継者難の現状を放置した場合、
2025年までに雇用やGDPなど多大な経済損失が発生すると
には経済産業省と中小企業庁が試算していました。
2025年まで残り3年となるなかで
後継者難倒産件数が過去最多となったことは、
これらの問題が今後一段と深刻になることを
示唆しているのではないでしょうか。
一方で、明るい兆しも見え始めています。
帝国データバンクの調査では、2021年の後継者不在率は61.5%と
依然として高水準にあるものの4年連続で低下しており、
調査を開始した2011年以降で最低となりました。
改善幅も3.6ptと大きく改善し、
後継者不在の状況は徐々に快方に向かっていることがわかります。
また国内企業のM&A実施件数の増加や後継者不在率の低下など
官民ともに進めている事業承継に対するアプローチも
着実に成果が出ていることが窺えます。
では今後、事業継承を検討しているという場合、
どのタイミングで実施するのが良いのでしょうか。
これは事業承継をしてもらいたいと社長が思うタイミングと
事業承継をしたいと思う人が目の前にいるタイミングが
ちょうど合致しないとできません。
そのタイミングを逃してしまい、
承継できずに苦労している事例を
数多く見ててきました。
承継するためには数ある社長の業務(属人的なもの)を
仕組みにしていかなければなりません。
暗黙のルールや意思決定の基準等々を言語化し、
仕組み化していく必要があります。
「事業承継をする相手がそもそもいないから、
そんなことしても無駄だ」という声もあるかもしれません。
しかしM&Aをする場合でも、仕組み化が進んでいる会社の方が
進んでいない会社より価値が高くなります。
つまり「この人にしかできない」という仕事が
多ければ多いほど企業の価値は低くなってしまいます。
超高齢化社会が目の前まで来ています。
なんとかなるだろうという甘い考えは捨てて、
なんとかするための道筋を立てなければ、
新しい課題は次々と舞い込んできます。
自社の今後を見通し、
事業を継承したいと手を挙げてくれる人に
バトンを渡す準備をしておかなければ、
事業承継はうまくいかないのです。
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