経営者向け
2022/12/05 (月)
樋野 竜乃介

コックピット経営のメリットと注意点

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仕事というものは常に動いており、
見える化することは困難と言えます。
同じように、経営も営みであるために、
完全に見える化できるものではないでしょう。

しかし、見えないものを検証することはできませんし、
改善することも不可能です。
そこで2000年頃からブームとなったのが
コックピット経営です。

コックピット経営とは、人や物、お金を可視化し、
経営戦略や戦術と、人の動きを紐づけする経営手法です。
たとえば各部署ごとのシステムデータを集め活用し、
まるで飛行機のコックピットで操縦するかのように
経営することを指します。

コックピット経営は多くの企業で有効とされ、
採用されてきましたが、失敗事例も数多く存在します。

何も考えずにブームに乗っかってしまうと、
効果を発揮するどころか、逆効果となることも考えられます。
コックピット経営を行うことでどのようなメリットがあるのか、
そして、どのようなリスクがあるのかを分析する必要があるでしょう。

過去の失敗事例を学ぶことで、失敗を未然に防ぐことができます。
ここからはコックピット経営のメリットと注意点について、
失敗事例をふまえて見ていきたいと思います。

 

Contents

コックピット経営によって得られるメリット

コックピット経営のメリットは、経営がガラス張り状態となり、
本来見えない営みが見えるようになることです。

経営の可視化ができれば、
上手くいっているポイント・いないポイントを
客観的に理解することができます。

毎日、経営内容をモニタリングした上で、
業務管理や営業管理、生産管理などのシステムと
連携することによって、社内の経営状態が閲覧可能となります。

つまり、これらのシステムを統合することによって、
経営者が自社の問題点にすぐメスを入れること
が可能になるのです。

社内フローや、お金の流れ、人の流れの中で、
どこがボトムネックになっているのかも
浮き彫りとなるため、効果的な改善が行えます。

コックピット経営の注意点

コックピット経営を行う時の注意点としては、
過剰なデータ活用が挙げられます。

システムによるデータは膨大で、
それらを総合的にまとめると、さらに膨大なデータとなります。
膨大なデータを分析するだけでも時間と労力が必要になり、
かえって非効率となるのです。

これは、起業時の会議と似た特徴があります。
細かい議題を集めすぎると会議が増え、
仕事にあてる時間が減るという
本末転倒となってしまいます。
起業してすぐの時期の会議は、ポイントを絞り
必要最小限にしなければなりません。

コクピット経営も会議と同じで、
いかにデータを絞り込めるかが重要です。
コックピット経営の失敗というと、
よくカルビーがその典型例として紹介されます。

カルビーは週次データをシステムごとに集計しており、
全てのデータをチェックするには、
不眠不休で4日かかるといわれたほどです。
また、データ分析で使われた9面グラフというグラフも、
データが多すぎてポイントがよく分からない結果となったそうです。

教科書にアンダーラインを引きすぎると、
結局どこが重要なのか分からなくなるように、
過剰な情報はかえって効率を悪化させる
要因にもなります。

コックピット経営に必要な要素

コックピット経営はITの活用が前提です。
そしてモニタリングしている情報が、
リアルタイムに見える状態となっていることが大切です。

ただし、見えているだけでは意味がありません。
自社のゴール指標と日課の間に
ギャップがあるかどうかが判別でき、
そのギャップの原因を突き止める必要があります。

このようなことを重視して、経営者と社員の間で
ガラス張りの情報を共有すると良いでしょう。

コックピット経営は、経営を見える化してくれますが、
情報が多すぎると非効率になる可能性があります。
情報の取捨選択をしながら、経営の効果を上げる必要があります。

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この記事を書いた人
株式会社シナジー経営・採用支援事業部ぐっともっとGrに所属 中小企業の採用アドバイザー、大学生の就職アドバイザーとして活動。 新卒、中途、外国人とあらゆる角度からの中小企業の採用をサポートする。 求職者視点での企業の強みを言語化、ターゲットとなる人材へ訴求する求人を作成し、採用活動の企画運営を行っている。 また今までに200人以上の大学生の就職相談を受け、キャリア構築のサポートも行う。
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