経営者向け
2022/12/15 (木)
小濱亮介

会社は誰のために存在するのか

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円安に加えて物価高もあり、ますます日本と世界の経済の
先行きがわからず不安ですよね。
そのような状況でも、しっかりと利益を出されている会社も多くあり
「小濱さん、役員報酬ってどうやって決めたらいいですかね?」と
聞かれることが増えてきました。

役員報酬について経営者が相談する相手としては、
税理士さんが一般的なではないでしょうか。
いろいろ聞いてみると、税理士さんの考え方によって
回答は様々なようです

「社長がたくさん取ってください。
何かあったときは社長が個人で入れるしかないんですから」
「利益を残さないようにしましょう。税金払うなんてもったいない」
「しっかり会社に残していきましょう」等々
様々な話を聞いたことがあります。

もちろんどれが正解とは一概に言えません。

従業員の給与であれば、賃金制度をつくり決めることもできます。
しかし経営者は最終的に個人の資産を切り崩さざるをえない状況になることもあります。
そのことを従業員に理解してもらおうと思っても、それは現実的に難しいように思います。

人によって役員報酬の決め方について考え方は様々なので、
「結局は納得度が一番高いところが落とし所です」といつもお伝えしています。

役員報酬について調べていく中で驚いたのが、
アメリカの役員報酬は日本と比べると13倍高いということです。
13倍というと差がありすぎて現実味がないように思いますが、
どちらにしても先進国の中でも日本は低いようです。

様々な要因が考えられますが、
そのひとつに「会社というものの捉え方」があります。

アメリカで「会社は誰のためのもの?」と経営者に聞くと、
9割の経営者は「株主のためのもの」と答えるそうです。
一方の日本では、ほとんどの経営者が「お客様」「地域社会」や「従業員」といった
株主以外のステークホルダーを答えます。

こういった考え方があるため他の先進国と比べ、
経営者が高い報酬を受け取るという文化が無いのかもしれません。
あるいは昔から染み付いた「お金持ち=悪」という風潮が
そうさせているのかもしれませんが……

大谷翔平選手の年俸が43億円と報道されると
「まだ安い。もっともらうべきだ」という声が多く出るにもかかわらず、
「経営者はもらいすぎだ。もっと従業員に分配すべき」という風潮があることに
個人的には矛盾を感じますし、そこの差に何があるのかと不思議に思います。

高い報酬を得ることへの妬みがあるのだと感じることもあります。
もちろんたくさんの報酬をもらうことが経営者の目的では無いのですが、
このような文化が技術の発展や世界競争に遅れを取っていることに
関係しているのではないかと思います。

経営者と従業員が完全に理解し合うというのは難しいかもしれません。
それでも互いに寄り添ってコミュニケーションをとり、
理解しようと双方が努力することが大事です。

お互いが気を遣い合って何も言えなくなることに比べると、
言い合える方が良いチームなのかもしれません。
気がねなく報酬について意見を交わせる関係性がベストとは言いませんが、
そのような関係性のチームは強いチームなのではないかと思います。

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この記事を書いた人
2010年、新卒でシナジーに入社し、人材サービス事業に従事。2021年に執行役員に就任。 これまでに2,000名以上の転職相談を受けた経験から求職者の視点を取り入れた中小企業の採用戦略を立てることを得意とする。 社内で新規事業の立ち上げを5事業ほど経験し、自身も2019年に社内起業を行い、代表も務めている。 様々な経験から採用戦略、経営戦略、システム構築などのアドバイザーとして活躍しており、10社以上の顧問先持つ。
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