求人において今年問題視されているのが、”2024年問題”です。
2024年問題とは、働き方改革関連法によって
2024年4月1日から物流・運送・建設業などで、
年間の時間外労働時間が960時間に制限される
ことにより発生する問題です。
これらの業界では、長時間労働が常態化しており、
その背景には若手不足と高齢化による労働力不足、
EC市場の急成長に伴う
宅配便の取り扱い個数の増加などが背景にあります。
法改正の目的は、労働者の労働環境を改善することですが、
この法施行によって生じる問題も指摘されています。
特に、運送物流業者の売上利益が減少する可能性があります。
時間外労働の制限により、1日に運べる荷物の量が減少し、
運賃を上げなければ収入が減少する恐れがあります。
また、労働時間の減少により
ドライバーの収入が減少する問題もあります。
トラックドライバーは走行距離に応じて
運行手当が支給されるため、
労働時間の規制により
走れる距離が短くなると収入が減少します。
物流業界では、労働時間の削減を達成しても、
稼働時間の減少により
トラックドライバーや事業者の収入減が生じるという
新たな問題を抱えることになります。
2024年の法施行まで残り時間が少なく、
対策が急務な事業者も多いとされています。
そんな中、岡山市の両備グループでは、
多様な働き方へのニーズに応えようと
新たな制度を導入し、大規模な採用活動を通じて、
全国的に問題となっているドライバー不足の解消に繋げています。
◆具体的な取組み例
・タクシー部門では
岡山と倉敷に配属されるドライバーの
入社7ヶ月目までの月額賃金を5万円増やし28万円に設定
・バス部門では
関東で観光バスを運行する会社で
奨学金支援制度を試験的に導入し、
月額1万5000円を上限に10年間社員の奨学金返還を支援
・バスの運転手には
朝晩のみの勤務や残業なしの柔軟な働き方を導入
これらの取組みもあり、両備グループでは、
6月からの5か月間で80人を採用したようです。
2024年問題に直面する建設、運送業等の業界はもちろんですが、
その他の業界においても人の採用の悩みは今後、出てくるかと思います。
採用の成功に繋げるために、
・条件の見直し(給与、休日等)
・多様な働き方の推進(勤務時間、働く場所、勤務日数など)
・募集ハードルを下げる(応募条件の緩和等)
上記の対策を進めることで、
現在よりも採用できる確率が上がるのではないでしょうか。
ぜひ検討してみてください。
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