近年、日本国内で外国人労働者の採用はますます重要な
選択肢となっています。そんな中、2023年ごろから
特にご相談が増えているのが「インドネシア人の採用」についてです。
この記事では、日本でインドネシア人労働者が
増えている理由を考察し、採用の際の注意点についてもご紹介します。
Contents
従来、日本ではベトナムや中国などからの労働者が
多くの業界で活躍してきました。
しかし、円安や母国での賃金上昇が進んで
給料面における魅力が減ったこともあってか、
近年はその伸びが鈍化しています。
代わりに増えているのがインドネシア人なのです。
特に農業や製造業、建設業、介護などの
人手不足が顕著な分野では、インドネシア人の割合が
多くなっています。
インドネシア人労働者が日本を選ぶ理由は
多岐にわたりますが、その中でもインパクトが大きい
要素として、以下が挙げられます。
①給与水準や日本への興味
②日本語教育の普及
③日系企業との親和性
これらの理由を詳しく見ていきましょう。
①給与水準や日本への興味
インドネシアと日本の給与水準には、依然として
大きな差があります。たとえ円安の影響があったとしても、
日本で働くことは依然としてインドネシア人にとって
大きな経済的魅力があるのです。
また、インドネシア人に限ったことではありませんが、
日本そのものへの興味も大きな動機となっています。
日本の独特な文化、歴史、そして四季がある生活環境は、
インドネシアの人々にとって魅力的です。
特に日本の四季に対する関心は高く、
東南アジアでは体験できない雪景色を見たいという
憧れを持つ人も少なくありません。
弊社で働くインドネシア人スタッフも、
ガンダムが大好きで日本に憧れたそうです。
こうした日本ならではの魅力が、
インドネシア人が日本で働くことを選ぶ理由の一つとなっています。
②日本語教育の普及
インドネシアでは日本語教育が普及しています。
実は、日本国外における日本語の学習者が
2番目に多い国なのです。学習者が1番多いのは中国ですが、
インドネシアと中国では母数となる人口の差が大きいため、
率に着目するとインドネシアは
非常にパーセンテージが高くなっています。
実際に、インドネシアから日本に来る多くの労働者は、
ある程度の日本語能力を持っており、
面接時にも通訳を必要としないケースが増えています。
このように、日本語教育が普及していることは、
インドネシア人労働者が日本を選ぶ大きな要因となっているのです。
③日系企業との親和性
インドネシアには多くの日系企業が進出しています。
そのため、日本企業を身近に感じている労働者も
少なくありません。実際に私が面接をしたインドネシア人は、
3人に1人の割合で過去に日系企業での就労経験がありました。
日系企業で働きたい人であれば、日本での就労後に
インドネシアに戻った時にも経験が活かしやすくなります。
日本人スタッフと現地スタッフの橋渡し役にもなれるでしょう。
こうした背景も、インドネシア人労働者が
日本を選ぶ際の後押しとなっていると考えられます。
このように、給与や日本語能力、日系企業との親和性など、
インドネシア人労働者が日本を選ぶ理由は多岐にわたります。
彼らにとって日本は、経済的なメリットだけでなく、
文化的にも魅力的な就労先となっているのです。
インドネシアは、非常に豊かな労働人口を抱えています。
生産年齢人口(15歳~64歳)は2022年1月現在総人口の70.7%で、
約1億9,000万人。特に20代から30代の若い世代が多く、
これは高齢化が進む日本にとって非常に重要なポイントです。
参考:PopulationPyramid.net「インドネシアの人口ピラミッド2020年」
日本国内では労働力不足が深刻な課題となっているため、
若くてエネルギッシュなインドネシア人労働者が
日本企業にとって貴重な労働力となります。
また、インドネシアは人口が多いため、長期的に見ても
日本企業が優秀な人材を確保できる可能性が高いです。
労働者の供給が安定していることは、
企業にとっても大きな魅力でしょう。
フィリピンやベトナムも、生産労働人口の割合は
そう変わりません。しかし、インドネシアは人口が多いため、
相対的にインドネシア人に頼る機会が増えるのは
当然の流れと言えるでしょう。
インドネシア人労働者が日本企業に馴染みやすい理由の一つに、
文化的な相性の良さがあります。インドネシアは、
日本と同様に目上の人を敬う文化が根付いており、
日本人と似た感覚を持っている方が多いのです。
さらに、インドネシア人は非常に勤勉で
責任感が強い人材が多いと評価されています。
日本企業では、真面目に働く姿勢やチームワークを
重視する傾向があり、インドネシア人労働者は
その点でも非常に評価が高いです。
特に、介護や製造業の現場では、彼らの協調性と
粘り強さが貴重な資質として認識されています。
注目が集まっているインドネシア人採用ですが、
採用する際には文化的・宗教的な配慮が必要です。
特にインドネシア人の約85%はイスラム教徒であるため、
豚肉を避けた食事や、1日5回ある礼拝の調整といった対応が
求められます。ただし、これらの問題は面接時に
しっかりと話し合いを行えば対応可能です。
たとえば、礼拝時のルールや、ラマダン(断食)期間中の
体調管理などを考慮する必要があります。
個人によって温度差がありますが、
礼拝は「やむを得ない事情がある場合は
時間をずらしても構わない」との考えを
持っていることが多いです。女性であれば、
ヒジャブ(頭を覆う布)を着用したまま働けるのが
当然と考えている方もいるので、
事前にきちんとすり合わせをしましょう。
また、これもインドネシア人に限りませんが、
仕事をする上で「やってはいけない作業」を
ハッキリと伝えておくことも重要です。
日本人は「その作業はしなくても良い」という言い方を
よくしますが、外国人にとってその言い回しは
「しても良いし、しなくても良い」と
受け取られることがあります。そのため、
やってほしくない作業がある場合は
「これはやらないでほしい」と伝えるように気をつけましょう。
どの企業でも、最終的な課題になるのは
コミュニケーションがほとんどです。
海外から働きにくる方は、基本的に話す相手が
職場の人間に限られます。一方で、受け入れる側の日本人が
遠慮してしまい、あまり外国人に話しかけないと言う話を
よく聞きます。しかし、これでは外国人も日本人も
コミュニケーション力は上がりません。
ぜひ積極的に自分たちから歩み寄り、
話しかける姿勢を心がけてください。
外国人労働者の採用は、日本企業にとって
今後ますます重要な選択肢となります。
特にインドネシア人労働者は、その文化的な相性の良さや
高い日本語能力から、初めての外国人採用にオススメです。
しかし、すでに外国人採用をしている企業の場合、
既存スタッフとの兼ね合いで
必ずしもインドネシア人を採用するべきではないケースもございます。
株式会社シナジーでは、特定技能などの制度を活用して
外国人を採用したい企業様をサポートしています。
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